2013年8月31日 (土)

“時”の人

試験前になると連日夕飯を食べにやってくるT朗君。

夏休み明けにはまたヘビーな試験があるらしく、このところ連日ご来店。
胡瓜が苦手らしいが、針のように刻んでスライスオニオンと人参の千切りに彩り程度混ぜただけでも「ドキドキする」らしい。

「なんでこれしきが食べられんの?」と訊けば「・・・・多分・・・嫌いになってみないと分かりません・・・」と苦しげな顔をするので、おばちゃん新たにT朗君バージョンの玉葱を刻みます。

嬉しそうに食事を頬張る彼に今更ながら訊き難い質問をぶつけてみた。

「あの・・今更なんだけど・・・・T朗君の苗字を聞いてもいいかな?」。

すると一瞬戸惑った表情になり、「珍しい名前なんです。瀬戸内海の瀬をふたつ書くんです」。

「せせ・・君?」「いえ、ぜぜです」。

「じぇじぇ!!」「ほらね。最近、みんなから言われるんですよ~」。

なんだ、時の人じゃん。
たくさんのお客さまの中にはとっても珍しい名前の人がいらっしゃるが、間違いなく珍名ベスト10に入ったぞ。じぇじぇ・・・じゃなくって、ぜぜ君。

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2010年3月 8日 (月)

福岡の代官山?・・・自由が丘?に来ています・・知らんし!

東京のことは知りませんが、イメージからすると「代官山」とか「自由が丘」とか・・?

福岡の「浄水通り」。市の中心部に位置し、閑静な高級住宅街でありながら、ほんのご近所には植物園や由緒或るお嬢様学校があって(・・・って、うちのお嬢様ですけど・・はは)、ケーキ屋さん、レストラン、花屋さん、雑貨屋さん・・・どれをとっても店構えには「高級」を冠したお店がずらり。

その、またひと際有名なケーキ屋さんのある一角にプル友さんの息子さんがプロデュースされたお洒落なお惣菜屋さんがオープンしたと聞き、早速行ってきました。あ~~っ!ありました!あそこですね~!では、早速行ってみます。

あら!一階にはあのロールケーキで有名なお店が入っていますね~。
お店が「おすまし」してる!って感じですね~。

小体で、お洒落なレストラン・・といった風情のドアを開けると、あらっ!イケメンの店長さんがソフトに迎えてくださいました。

落ち着いた店内のあんまり大きくないショーケースの中に、彩りよく並べられたお野菜中心のお惣菜が・・・。うっわ~!美味しそうですね~。料理人のセンスが光る品々です。

お値段はそこそこ・・・見た目や素材の吟味が、さすが高級料亭で修行されただけあって、お見事!和食の創作料理の中にイタリアンテイストのお惣菜が二、三品。

夫とふたり分のプレートと、更に単品で三つほどいただいてと~っても気分よくお店を後にしました。

帰って、早速いただきました。
どれも若い感性が光るお料理でした・・・って、コメント少なすぎ?

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2009年11月 5日 (木)

顔の筋肉?

大ウケしたホントのお話。

プル友さんが、頭部CTを撮ってもらった。

結果、別段異常もなく、ホッとした・・・というお話なんですけど・・・。

説明の際、ドクターがデータをしげしげと眺め、ひと言。

「お顔の筋肉が厚いですね」。

・・・・・・・・・・・・・・・・。

わざわざ、他の人のデータまで持ち出して比べて見せてくれたそうで・・・・。

ご本人「調べてもらって、5800円も払って『異常はないけど、ツラの皮が厚い』って言われてどんなもんですかね・・・」。

失礼ではありますが、他人事なのでプール中でウケたウケた。

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2009年2月14日 (土)

泣かない約束・・・

ドライフルーツを買い漁ってしまったお陰で最近妙に贅沢なパウンドケーキを焼きまくっている。
ま、それは善しとして・・・厄介な癖が出てしまった。
「普通」で終われない性格が顔を出すのだ。

フルーツで飾るだけではなんだか物足りない・・というか、オリジナリティーが欲しい。アイシングを施すと・・・あら、ちょっと、お洒落・・・。しかも、レモン味。

評判も上々だったが、気になることがある。イメージどおりに「パリッ」と仕上がらないのだ。
アイシングに使う粉糖のもっと上質なものが手に入らないか・・・気になりだしたら、頭から離れない。とうとうネットで調べてみる。

・・・・・・・あった!
「泣かない粉糖」・・・これだ!
やっぱり、たくさんの人が悩んでたんだ・・・。だって、泣くんだもん。
よく、デコレーションケーキのかわいいイチゴの上や、シュークリームの上に粉糖が振ってあるが、時間が経ったり、温度差でお砂糖が溶け出し、ベタベタしてしまっていたりするとがっかりだ。

私はその粉糖を水で練ってケーキにトッピングするんだけど、この「泣かない」粉糖を使えば、きっと、思い通りのアイシングが出来ると踏んだ。

早速ネットでご注文・・・。

今朝、届いたので早速使ってみることに・・・。
お水で溶こうとすると・・・・・あら?この泣かない粉糖ちゃん、完全撥水加工。
お水と完全に険悪な感じ・・・。どんなにお水で練ろうとしても、ころころとお水を弾いてしまう・・・。泣かぬなら・・・泣かしてやろう・・・泣かないのね。もう分かった。

♪粉糖~努力の甲~斐も~なくぅ~今日もぅ~涙の~♪
・・・確かに、泣かない・・って約束だった。
また、新たな壁さ。手探りの菓子作りは奥が深いって知ってる、うん。

寅さんのテーマが頭から消えない一日が終わった。

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2009年1月30日 (金)

常時無呼吸症候群

新年から、毎日最低1キロは泳ぐようにしている。
最初はやっと・・・という感じだったが、最近では余裕でまだ2~300メートルは泳げるようになった。

夫は相変らず熱心にレッスンを受けているようだ。
ところが、この頃プールの帰り、心なしか元気がない。思うように泳げないのが悔しいらしい。元々不器用な人ではある。

理由は明白である。
呼吸をしないで泳いでいるのだ。
体に悪いのできちんと呼吸をするように言っても、無駄。挙句には呼吸をすればもっと苦しい・・・とまで言い出す始末。かなりの頑固者だ。
それで居て「マスターズに出る!」と言い張る。

夜、寝ているときも無呼吸だ。時々、寝息が止まってから自分も一緒に止めてみて、「もう、無理かな」と思うと、揺り起こしてみる。
その時の様子といったら、どう表現したらいいのだろう・・・。

最近気付いたが、起きているときも無呼吸だった。
勿論、ずっとだったら、生きてはいない。
仕事中に、やけにきつそうな息遣いをするなぁ・・・と観察していると、どうやら或る条件下で無呼吸になることを発見した。

普通の人は重いものを持ち上げたりする時、一瞬、息を止めることがあるが、彼は忙しくなると頻繁に息を止めたまま、過ごしていたようだ。注意をすれば不機嫌になる。

肩を揉んであげるときも「はい!息して~!」と何十回も言わないといけないほどだから、はっきり言って「いい加減に覚えたら?」。
そのうちに同じ事を言うのが面倒になって、放っておいたら「頭が痛くなる」のだそうだ。
完全に酸欠だ。理由は明白なのに、「できないんだから・・・」と言い張る。

・・・私たちの息が合わないのは、彼のせいだったんだ。

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2009年1月17日 (土)

草を食む男たち

仕事で、若い人と接する機会が多いからか、少し前から気になっていたことがある。

優しい気遣いのできる男性が多いのに対し、対象的な女性が多いのである。

言葉遣いはメディアのせいもあるのだろうが、女性の一人として、言葉を失うこともある。

女性の社会進出もあるだろう・・・。
半世紀以上続いてきた平和な暮らしが、男性を優しくしたこともあるだろう・・・。

そんな折「草食系」という言葉に出合った。
争いごとを好まず、群れの中で、草を分け合い平和に生きていくことを好むのだそうだ。

ある意味、私自身もこういう生き方を好むのではないかという気がするが、ひとたび有事に至った時、一体この国はどうなるのだろう・・・と、そんな不安もよぎったりするのだ。

翻って、女性の在り方がなかなか勇ましいものになりつつある今、有事には「あたしに任せときな!」なんて言って、草食クンたちを守ったりするのかな?

そんなことを考えていたら、草原でのんびり草を食んでいる男の子を、木陰で舌なめずりしながら爪を研ぐ「肉食系」の女性が狙っている図が浮かんだ。

世の中のバランスというものは、多かれ少なかれこうしたものなのかもしれない。

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2008年12月14日 (日)

学生の頃から懇意にしてくれている女性がいる。
仕事をバリバリこなす、ちょっと気になる素敵なシングルマザーである。

会社の再編で、派閥が露骨に表面化し、かなり厳しい環境下で頑張っているらしい。
聡明でお洒落で、女性らしい、とてもスマートな気配りの出来る女性だが、世の中は不思議なもので、そういう存在を疎ましく思う御仁もいる。当然、彼女のような人材を応援してくれる上司もいる。

先日、彼女が突然、仕事の時間調整で、その上司と一緒に店に寄ってくれた。
話は何度か聞いていたので、初めてお会いしたとは思えない感じだった。
ひと言で言えば、知的。

残念ながらもうじき会社を去られるその人は、第三者から見ても、理想的な上司に思えた。こんな人の下で働けたら幸せだろうな・・・と思えるような「いい目」をした人だった。

人はどのように生きてきたか・・・が顔に出るように思う。
幾多の困難を解決して生きてこられたのだろうが、その生き様はきっと清廉なものだったろうと察せられる顔だった。

こういう人が去ってゆく会社の先行きを思うと悲しくもあるが、ひ弱だった彼女が、いい上司の元で随分と逞しいワーキングウーマンになったものだ。
彼女もますます「いい顔」になってきた。

彼女の笑顔が曇らないよう、陰ながら応援している。

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2008年12月12日 (金)

商いは「飽きない」・・・なんちて

「味噌、変えた?」。
ご常連のひと言にいつも「ギクリッ!」とするばかりの私である。
恐々「・・・美味しくない?」と訊けば別になんという風もなしに「んにゃ!これはこれで旨い」と言ってくれる。
以前食べた時はもっとピリッとしてた・・とか、もう少し甘味が濃かった・・とか、大抵はそんな按配だ。

私がお客さまの反応に逐一「ギクリ!」とするのには訳がある。私の料理にはきちんとしたレシピが存在しないのだ。
その日の気分や体調次第ということになる。

ほんのちょっとした違いに敏感な彼に「レシピはないんだから、その日の気分次第よ」と言うと「ふうん・・だから飽きないのか!」と言ってくれた。

へえぇ!そんな風に考えたことはなかった。

そう言えば、ずっと通ってくれていた製薬会社のプロパーさんが異動になって、お昼を食べる場所がないと嘆いていた。
・・・そんなはず無いけどな・・・マンモス大学の周辺には飲食店がズラッと軒を連ねているはずなのに。

不思議に思っていたら、「殆どチェーン店ばっかり・・・」と言う。
そうか、チェーン店の食事は何処で食べてもある程度の質は保たれているが、想像を超える・・ということが無い。

その点、うちの店はすごいよ。何がすごいって、毎回、味、変わるから。
お客さま満足度・・はさておき「飽きない!」。
はは・・・。これが強味だったんだ。三十年もやってきて、初めて気がついたよ。
「今日のふたりの機嫌が気になって仕方ない」→「放っておけない」→「行かないと落ち着かない」→「飽きる筈が無い」。

いやぁ・・はは。商売の真髄かも知んないね!

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