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2013年8月31日 (土)

大人になって・・・

ひょんなことから、古いご常連のT君が十五年も昔の「きゅん」とくる話をしてくれた。

ある日、仲のよい学友たちと「蟹が食べたいね」という話になり、メンバーのひとりが蟹一パイ二千円」の情報を仕入れてきた。

早速、店に予約を入れ、駅からぞろぞろ歩いて行き着いた店は、黒々と磨き上げられた車が並ぶ、なんと立派な料亭だった。皆、不相応な店構えに怖気づいた。

出迎えた和服の女将も当然驚いたが、彼等の大胆すぎる低予算を聞いた上で個室に迎え入れ、キャビアの前菜から、土瓶蒸し、・・・勿論、蟹は一人一パイづつ付けて甲羅には熱燗を注ぎ、見事な大人のコース料理でもてなしてくれた。

帰り際、「立派な大人におなりなさいね。そして、もしも偉くなったら、またこの店を使って頂戴」と送り出してくれた。今は皆立派なドクターになり、自分のお財布で堂々と食事ができるようになった彼等は、「全然偉くはないけど、あの日のお礼を込めて、またみんなで行きたいね」と言っているそうだ。

誰しも若い頃、顔から火が出そうな思い出はあるはずだが、大人の懐の深さに救われた時、生涯忘れ得ない経験として心に深く刻まれ、それがその後の人生の指針となることもある。

立派な大人に成長した彼等と、気風のいい女将の笑顔の再会を私も心待ちにしている。

「お車ですか?タクシーですか?」と訊かれたら多分、彼等は今でも「電車で行きます」と答えるだろう。

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“時”の人

試験前になると連日夕飯を食べにやってくるT朗君。

夏休み明けにはまたヘビーな試験があるらしく、このところ連日ご来店。
胡瓜が苦手らしいが、針のように刻んでスライスオニオンと人参の千切りに彩り程度混ぜただけでも「ドキドキする」らしい。

「なんでこれしきが食べられんの?」と訊けば「・・・・多分・・・嫌いになってみないと分かりません・・・」と苦しげな顔をするので、おばちゃん新たにT朗君バージョンの玉葱を刻みます。

嬉しそうに食事を頬張る彼に今更ながら訊き難い質問をぶつけてみた。

「あの・・今更なんだけど・・・・T朗君の苗字を聞いてもいいかな?」。

すると一瞬戸惑った表情になり、「珍しい名前なんです。瀬戸内海の瀬をふたつ書くんです」。

「せせ・・君?」「いえ、ぜぜです」。

「じぇじぇ!!」「ほらね。最近、みんなから言われるんですよ~」。

なんだ、時の人じゃん。
たくさんのお客さまの中にはとっても珍しい名前の人がいらっしゃるが、間違いなく珍名ベスト10に入ったぞ。じぇじぇ・・・じゃなくって、ぜぜ君。

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2013年8月24日 (土)

N○○の商道徳

やられました!!

明らかに!悪徳!

まるで後ろの正面から“だまし討ち”!

ま、こんな世の中に騙される方も騙される方・・・ええ、あんな小娘に騙された私がいけない。

お盆休みに突入した11日の朝、一本の電話。

「N○○ですが、近日、この地区の回線切り替え工事を行います。十数分、ネットのご利用ができないことと、お客さまにはお手数ですが、プロバイダーへ回線切り替えに伴うお電話を入れていただかなければいけません。それと、工事終了後にモデムのコンセントを着脱していただく必要があります」。

というので、わかりました、と答えて電話を切った。

そしてお盆休みが終わった日、工事日程のお知らせが届いた・・・。

タイミング悪く、その日、ぎっくり腰を患ってしまい、封筒を開かずに休んでしまいました。

翌日、開封してびっくり!

「サービス変更のお申し込みをいただきまして・・云々・・・」。しかも、改めてセキュリティーなどの設定をやり直すらしい、自分で。

あ!そういうこと・・・・?

工事日は翌々日の早朝。
と、いうことは、その日のうちに解約しなければ・・・・。

ところが、出ません、電話。
「順番でおつなぎしますのでもう暫くお待ちください」お客さまが切れたらすぐにかけ直すも全く通じません。
携帯で、自腹で、十数分待っても繋がりません。

そうこうしていたら、受付け時間を過ぎてしまいました。

あの女の子は電話でN○○を名乗ったが、きっと子会社だ。
ならば、きちんと会社名を名乗るべきで、「コース変更のお勧め」と言わなければいけないはず。

日本の商道徳も地に落ちたということか・・・。消費者相談センターやらに相談する時間も抗議するエネルギーも、どこを探してもない。
受け入れるしか手はない。アホな自分に渇を入れろ!ということだ。

ええ!今度から絶対こんな手には引っかからない。
振り込め詐欺に引っかかったわけじゃないし、ま、いいお勉強させてもらいましたわ、ムラカミさん!

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